米国のカリスマ・トレラン系YouTuberのGingerrunnerが、YouTubeに面白い動画をあげてます。
TRAIL MUSIC | The Ginger Runner
彼らしいユーモアもある映像ですが、足音や森の中にあるアイテムを使い、音をサンプリングし、"TRAIL MUSIC"を表現しています。
トレランのレースなどでほぼ禁止事項になっているイヤフォン/ヘッドフォンの利用も、ファンランや練習のときにつける人もまだまだいますよね。ただ、あれはやはり危険ではあると思います。山の中で音が聞こえないのは。
一方、街中で聞ける音楽を山にも持ち込んで聞くのではなく、山の中でしか聞けない「音」を聞くというのも一つの楽しみじゃないかなあ、と、この映像を見ていて改めて思いますね。僕の場合は自分が走ってる音を聞くのが好きです、はい(ただ、ナイトランでの動物たちの音は相変わらず怖いけど)。
で、この"TRAIL MUSIC"を見ていて(聞いていて)思い出したのが、ジョン・ケージの"4分33秒"という作品。
この作品は演奏者は全く演奏しません。正確に言うと、演奏はしていますが、ピアノの鍵盤は叩いていません(詳細は以下の映像を御覧ください)。
でも、演奏者の前にあるピアノからの音は何も聞こえない一方、隣の人が足を組み替えたときにする服の擦れた音、パンフレットを落とした音、咳払い、など、いろいろな音が聞こえてくるわけ。
このジョン・ケージの作品は、そうした楽器以外が奏でる周囲の音への注目ということで「環境音楽」のジャンルを切り開いた”名曲”なのです。
と、考えると、僕らトレイルランナーは、山に入ってる間、その時間分だけの"4分33秒"を体験できるわけですよ。
めっちゃ贅沢体験じゃないですか?
そう考えると、山でヘッドフォンをつけるのは(危険なだけでなく)勿体ないなあ、とも思うわけです。