昨日は陣場山の入り口にもあたる和田峠の茶屋に詰めてたおじさんと話をしてたんだが、山ガール以降の登山ブームや昨今のトレランブームで、軽い気持ちで山に入る人、ランニングからトレランに入る人の中には、山のリスクをあまり考えてない人が多いという話。なんとなくだが、僕が小学校〜大学生までボーイスカウトで経験したころよりも、山の楽しみ方は増えて、人口が増えてる気がする。
和田峠の峠の茶屋は北丹沢12時間山岳耐久をやっている北丹沢山岳センターが運営していることもあり、また陣場山の信玄茶屋の小池さんのようにトレラン・山岳レースの運営では有名な方がやられているので、陣場山周辺にはその筋の人々がたくさんいる。そんな人たちが、草トレランレースのように運営面でリスクが多いものから、地図やコンパスももたず、山岳保険にも入ってないような人が多くなってきてることに危惧していた。
昨日も陣馬山頂からは警察と消防のヘリが飛び交っていたので、なんらかの山の事故が起きたのだと思うが、高尾〜陣馬のようなルートでさえ滑落の危険がある場所は多数あるし(現に高尾山の付近でも滑落事故起きてる)、道と見間違う踏み跡も結構ある。雪があるとなおさら危険。
登山計画書なんて出してる人も少ないだろうから、和田峠のおじさんも言ってたが「まだ下山してないと身内から連絡が来ても、どこ探したらいいのかわからないので困るんだよね」という話だった。そりゃそうだ、ルートはいくらでもあるわけで。
というわけで、普段から(いつもの高尾山口〜陣場山の往復のトレランであっても)登山計画書は出してるし、もちろん山岳保険には入ってるし、地図とコンパスも持つようにしている。エマージェンシーブランケットやファーストエイドキット、プラス一回分の行動食も。なので、とことん軽装になることは、レース以外ではない。
去年は10本以上のトレランのレースに参戦したけれども、普段から装備や山のリスクを考えるようにして山に入っていると、いかにレースがボランティアや運営者・主催者によって、安全に終了できるように運営されているかよくわかるようになり、例えばコースマーキングやエイドなどのありがたみもより感じるようになる。
むしろ、レース参戦のときのような感覚で山に入るような感覚になってしまうことがあると、それは相当危険なことのように思う。高尾山〜陣場山の定番コースなどでは、非常に軽装のトレイルランナーと出会うことがあるけれども、城山や景信山、陣場山付近でいくらか食料や水分の補給はできるものの、それ以外の山のリスクは当然のようについてまわる(むしろ水場がないのでこのルートは実は危険じゃないか?)。特にトレランは他の山岳活動よりもリスクが高いように思うので、保険加入や装備などはより気をつけないといけないように思う。
最近では僕の周囲でも、山関連のマンガやおしゃれアウトドアブランドが増えることで、それらを入り口として山をはじめる人が増えてるものの、やはり山は山なのでと思う。
以下、おすすめの地図と保険を記しておく。
【おすすめしたい地図】
地図は定番の『山と高原地図』にプラスして地形図を持っていくことも。もちろんコンパスも必須。
丹沢・奥多摩・高尾エリアであれば、守屋益男・守屋二郎さんが制作している1/12500の詳細地図を持っていくことが多い。これはこのエリアを行くなら必須とも言える。地形も見やすいので、ルート確認がしやすい。
高尾山・景信山・陣馬山登山詳細図2013改訂版ー82コース高尾山1:5000拡大図付きー
- 作者: 作成・解説:守屋益男(日本勤労者山岳連盟顧問)・守屋二郎
- 出版社/メーカー: 吉備人出版
- 発売日: 2013/06/30
- メディア: 地図
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上記高尾エリアの他に、下の東丹沢版、西丹沢版、奥多摩東版、奥多摩西版がある。
東丹沢登山詳細図 改訂版 :大山・塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳全120コース
- 作者: 踏査総括 守屋二郎、守屋益男(日本勤労者山岳連盟顧問)
- 出版社/メーカー: 吉備人出版
- 発売日: 2015/04/01
- メディア: 地図
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最近は、丹沢の1/25000版を新作で出されたということで、こちらは丹沢エリアを広く見れるようになっている。今後他のエリアでも1/25000を出される予定とのこと。
これらの地図はいつも小仏峠で販売されてるので、裏高尾〜小仏縦走時にも購入できる。
【加入している山岳保険】
『やまきふ共済会』の「やまきふプラス」
『やまきふ共済会』の山岳保険は、「ヤマレコ」と連動して登山計画書を送付しやすいのと、登山計画書提出によるメリットがある(後述)。
他にもメジャーなところではモンベルがやっている山岳保険や、日本山岳救助機構がやっている「jRO(ジロー)」などがある。入会金や年会費の合計でいえばモンベルやjROが安価だが、『ヤマレコ』との連携やカヴァー金額の多さ、自分の山行によって保険種類が選べるなどから、『やまきふ共済会』にしている。
また『やまきふ共済会』の場合、登山計画書を提出していると保険のカヴァー範囲が拡がり、雪山登山などへの対応もしてくれるようになるのが大きい。
「登山計画書」の作成通知だけで国内全ての遭難事故に対応! | やまきふ共済会の山岳保険制度
国内の山行は『やまきふ共済会』でほぼほぼカヴァーされるので安心。これは友人にもおすすめできる(保険の還付は経験ないけれども・・・まだ。願わくば今後も無しでありたい)。あとは海外のレース遠征などで使える保険をどうするか、かな。